GW前にドル円が上値抵抗を突破し、買いサインが点灯していた為替相場。実際は全通貨で円高が進行する結果になっています。今回は円高が進行した理由を考えていきたいと思います。
また併せて、P&Fチャートから為替相場の現状と対策を分析していきたいと思います。
目次
円高が進行した理由
なぜGWに急激に円高が進行したのでしょうか?原因を分析していきたいと思います。
米中摩擦激化への懸念
ダウや為替の急落とトランプ大統領の発言タイミングから、急激な円高が進行した要因はトランプ大統領の対中国に関する関税引き上げであると考えられます。アメリカの関税引き上げに対して中国側も何らかの措置を講じ「米中摩擦」が激化することへの懸念から、円高が進んだと考えられます。
ダウの高値更新失敗
参考:ダウ日足チャート
赤の矢印(5/1)で4/23の26,695を抜けなかったことで利食いが先行したことも暴落に拍車をかけた要因だといえます。ダウはおよそ900ドル下げました。また日経はGWの長期休場の影響をもろに受け、大きな窓を開けて1,000円以上下落しています。
ダウが75MA(25,814)を割ることなく持ち直せば、しばらくは反転モードになると考えられますが、簡単に75Aを割ってしまうと、どこまで下げるか判断が難しい展開になります。
日経は直近の下値抵抗ラインである21,000円で踏ん張れるのかが、相場のポイントになるでしょう。
見てきたようにファンダメンタルとテクニカルの暴落ポイントが重なった結果、大きく相場が崩れてしまったことがわかります。
また5月は「セルインメイ」の相場格言のように、季節要因から売られやすい傾向があります。安易な逆張りはやめた方が無難です。
為替相場の現状と対策
参考:ドル円P&Fチャート
ドル円
ドル円は買いの根拠だった下値のトレンドラインを割ってしまいました。よって、戻りを売っていくのが相場セオリーです。
参考:みんかぶFX
上記は1日あたりの買いスワップ一覧表です。ドル円は平均70円と高スワップ通貨であることがわかります。下手に売るとスワップの支払いと含み損の二重苦に陥る可能性があります。よって、売る場合は別通貨を売りましょう。
高スワップ通貨は「買い」目線で取り組むのが相場セオリーです。よってドル円も買い目線で対応していくことになります。買いで取り組む場合は以下の点に留意して取り組みましょう。
劉鶴副首相が9~10日に訪米
ファンダメンタルで気を付けるべきことは劉鶴副首相の訪米です。この通商協議でどのようなことが提案されるのかが大きな焦点になります。9~10日の通商協議の内容をしっかりとチェックしてからインするように心がけましょう。
直近安値109.707に注目
参考:ドル円P&Fチャート
直近安値である109.707を割ってしまった場合、Wトップが出現します。割ってしまった場合は2段階の下値ラインで捕まえていくことになります。
・第一次防衛ライン:107.657
黄色の矢印の1の部分が107.657です。ここを割らなかった場合、買いを入れていく場面になります。
・第二次防衛ライン:104.784
黄色の矢印の2の部分が104.784です。個人的に105割れはファンダメンタル的に絶好の買い場であると考えるため、自動的に買いを入れていこうと考えています。
ドルは高スワップ通貨です。インカムゲインを狙ってうまく安いところで捕まえたいところです。
トルコリラ
参考:トルコリラP&Fチャート
年利24%の高利回り通貨のトルコリラです。以前の記事で「また下がるから、適当に処分します」と書きましたが、順調に下げてくれています。テクニカル的にWトップからのきれいな下落です。
ポイントはズバリ15.250の底を割るのかorW底をつけるのかにかかっています。
ここで底割れした場合、底なし沼になるので安易な逆張りはしないことがポイントです。買いサインが出てからでも遅くありません。
また底割れを回避した場合は迷わず買いをいれていくことになります。年利24%を底で拾うチャンス到来だからです!
NZドル円
参考:NZドル円P&Fチャート
前回売りサインが点灯したと書いたNZドル円が見事的中しています。売りサイン点灯理由はトレンドラインの下抜けでした。これと同じサインが出ているのでドル円は注意が必要です。
NZドル円は黄色の矢印である直近安値72.031がポイントです。止まればW底形成、割れれば底なし沼に突入します。
連動通貨の豪ドルも見事暴落しています。豪ドルの下値も視野に入れつつ対応していきたいところです。
まとめ
トランプ大統領の発言から暴落している連休明け相場ですが、時期的な要因もあり簡単に収束することはないと考えられます。ここは無理に逆張りで入るのではなく、買いサインが点灯するのを慎重に見計らいながらインしていきたい場面です。
しかし、暴落は最大のチャンスでもあります。高利回り通貨を安く仕入れて長期ホールドできるチャンスが到来だともいえます。
資金配分に気をつけながら、慎重にポジションを構築していきましょう。