24%という前代未聞の高金利をたたき出したトルコリラが人気です。今回はトルコリラの展望をファンダメンタルとテクニカル(P&Fチャート使用)両面から分析していきたいと思います。
目次
トルコリラの金利
トルコリラの政策金利の現状
参考:みんかぶFX
https://fx.minkabu.jp/indicators/TR-TCMB
上記はトルコリラの政策金利の推移です。2016年12月8.00%、2018年5月16.50%、2018年6月17.75%、2018年9月24.00%と順調に政策金利が上昇してきていることがわかります。
他通貨との比較
参考:外為どっとコムHP
https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/
上記は主要通貨の政策金利の推移を表にあらわしたものです。トルコリラの政策金利がずば抜けて高いことがお分かりいただけると思います。
≪政策金利ベスト3≫
1位 トルコ 24%
2位 メキシコ 8.25%
3位 南アフリカ 6.75%
金利24%とはどういうことか?
金利24%とは実際にどのようなリターンが出るのでしょうか?
参考:野村證券 みらい電卓
https://www.nomura.co.jp/hajimete/simulation/unyou.html
利息24%ということは3年で元金がおよそ倍になってしまうほどの高金利であることがお分かりいただけると思います!
トルコリラを購入し保有しているだけで、お金が倍になるとしたら、皆さんはどうしますか?
…やっぱり買ってしまいますよね(笑)
しかし、トルコリラは高単価ゆえにリスクも高い通貨です。今までも高単価で夢を見てしまった多くのミセスワタナベが退場の憂き目になっています。
今回はトルコリラの投資のコツも後々ご紹介したいと思います。
トルコリラのファンダメンタル分析
トルコリラのファンダメンタルといえばトルコの経済状況を分析知るのが王道です。
しかし24%とありえないほど高い政策金利の通貨です。おそらくトルコの政治状況が最も危惧されているのではないかと推測されます。
よってここではトルコがなぜリスクが高いと思われているのかといった視点からトルコリラのファンダメンタル分析を行っていきたいと思います。
独裁政権
トルコはエルドアン大統領が独裁政権を敷いていることで有名です。この事実自体がトルコのリスクとなっている側面があります。
エルドアン大統領は利上げに否定的です。トルコの政策金利はもっと早期から引き上げるべきであったのも関わらず「利上げ反対」をエルドアン大統領が貫いていたため、2017年からの急激な引き上げになったと推測されます。
…はっきり言ってかなり厄介な方であるといってよいでしょう。
アメリカとの関係
エルドアン大統領とアメリカのトランプ大統領の関係は最悪の一言です。
もめごとの発端は2016年7月に発生したトルコの軍事クーデター未遂事件にアメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師が関与していたとして拘束されたことです。これに対しトランプ大統領は牧師の解放を要求してきましたが、エルドアン大統領は聞く耳を持ちません。
そこで2018年8月、トランプ大統領はトルコから輸入する鉄鋼やアルミニウムの追加関税倍率を倍にするなどの経済制裁の強化を発表しました。この経済制裁でさらにトルコリラが下落し、日本で多くのミセスワタナベさんが退場に追いやられています。
この経済制裁に対しエルドアン大統領もアメリカ製品の不買などを呼び掛けたため、事態は泥沼化していくことになります。
直近のニュースではトランプ大統領とエルドアン大統領が電話会談をしたことが報じられていることから、二者間の緊張状態は緩和傾向にあると推測されます。
結論
トランプ大統領&エルドアン大統領という強烈な独裁者が絡んでいます。はっきり言って先が読める状態ではありません。どちらかが大統領をやめてくれるとファンダメンタル的に買いやすくなるとだけ言っておきましょう。
トルコリラのテクニカル的分析
ここでは筆者お得意のP&Fチャートを使ってトルコリラのファンダメンタル分析を行っていきたいと思います。
先日トルコリラのトレード公開しました。「また下がるだろうから適当に処分します」とコメントしましたが根拠はこちらになります。
参考:トルコリラ日足P&Fチャート
上記はトルコリラの日足P&Fチャートです。Wトップのネックライン割れがきれいに出来上がっています。ですからターゲット値or底打ちサインが出るまでは様子見していくことになります。
なぜそこまで慎重になっているのかといいますと長期足にその理由が隠されています。
参考:トルコリラ週足P&Fチャート
上記はトルコリラの週足P&Fチャートです。2007年にWトップを付け天井を形成して10年以上ずーっと下落していることがわかります。
こういった底なし沼のチャートで強気になるとミセスワタナベさんたちの二の舞になるので注意しましょう。
せめてトレンドラインをブレイクしないと強気になれません。
テクニカル分析の結論としては慎重に様子見しながら、買いを狙うということになります。
トルコリラを攻略するときの注意点
こういったハイボラの通貨は資金力が命です。トレードのコツはズバリ「レバレッジをかけない」ことです。
19円×1万通貨÷25=7,600円
理論的に7,600円で年間43,800円の利息をゲットできることになります。じかしこれは現実的ではありません。
それよりもトルコリラ用の口座を用意して、19万円(1万通貨分)入金すれば、いくら下落しようがロスカットにかかることなく年間43,800円をゲットすることができます。
個人的に筆者はこちらの方法でトルコリラを売買しています。それでも安定するまでは、短期売買を併用して慎重に売買していきます(なぜか負けたことはありません。P&Fチャートのおかげかな?)。
まとめ
今回は24%の高金利通貨トルコリラをご紹介してきました。正直トルコが経済的に破綻するとは思えないので、しばらくトルコリラをストーキングしてみたいと思います。